ヒヤヒヤ多摩サイ(3/5)

しかし、多摩サイから離れようにも横にそれる脇道がないのです。


右側は広い原っぱ、その向こうは多摩川
左側は背の高い草が生い茂る草原。
だだっ広い平原の真ん中辺りで
金属のパイプで組まれた物体にしがみつく生き物いっぴき。


すーっと背筋が寒くなりました。


「ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ」


頭の中ではこの3文字がリフレインしています。
横をスパスパ通り過ぎるロードレーサーのひとの背中にも
必死のオーラが立ちのぼってました。



ついに、左側を塞いでいた背の高い草原が途切れました。