ヒヤヒヤ多摩サイ(2/5)
裏目りました。
私の予想は大外れで、それから30分も経たずに空が崩れ始めたのです。
どんどん暗くなっていく空。
後ろを振り返れば、多摩川上流辺りはもう真っ暗です。
カミナリの音はどんどん大きくなっていきます。
「ヤバいなー」と思い始めたら、左手の向こうに稲光が。
数秒して『ドシャーン』という音も。
顔や腕にはポツポツ雨が当たり始めました。
右手の空はまだゆとりがあります。
「橋渡って向こう岸に避難するかなー」と思った途端、
まだまだ明るい川向こうの空にカミナリが一本落ちました。
「なんで?向こうもダメなの?」
そろそろこちらも余裕が無くなってきました。
ペダルを踏む足にも力が入ります。
ピカッ……『ドシャーン』
ピカッ…『ドシャーン!』
稲妻がだんだん太く高くなってきました。
光と音のタイムラグも短くなってきました。
雨の粒もボタボタと大きくなり、後は量が増えるだけ。
「もうダメ!限界!」