今週のビッグコミックスピリッツ

せきやてつじ『バンビーノ!』がアツいです。


かつての花形シェフと駆け出しの新人ヘルプの
勝負の明暗を分けたのは『時間』だった。
片や止まっていた者、片や動いていた者。
彼は相手の腕そのものよりも、
料理の世界の最前線で進化していた店の料理と、
常に食べる相手を意識して料理している
『現役の姿勢』に負けていた。


極めてオーソドックスな決着理由なのに
グイグイ読ませます。
情念のほとばしってるような描線が
絵に勢いを生み、店で働く彼らの動きを
緊迫感ある格闘の域に至らしめている。


いつしか渦巻に引き込まれるように、作品世界に
引き込まれていきます。


近代麻雀ゴールドで連載していた『おうどうもん』が終わってしまい、
「勿体無いなー」と思っていたところに、この連載が始まり
瞬く間に主力へと駆け上がっていきました。


そういえば『ブラックジャックによろしく』の佐藤秀峰
同じくゴールドで、かつて連載を持っていましたし、
能條純一出世作近代麻雀の『哭きの竜』でした。
共通するのは、ビシッと一本筋の通った
正統派のドラマが描けること。


麻雀漫画誌、侮りがたし。