今月のコミックビーム

今号の表紙はとても目立ちました。
本当に、いろいろ試してきますコミックビーム


志村貴子放浪息子』。意を決したシュウくん。
その思いを高槻くんに打ち明けます。


シュウくんの発した言葉の意味を高槻くんがどれだけ汲み取れたかは
ちょっと測りかねますが、高槻くんのあの昂ぶった表情は
シュウくんと同じ質量の気持ちをもったからであってほしいと思います。


勝ち目の無さをうすうす悟りつつも、
それでも割って入ろうとする千葉さん。けなげです。
個人的には小学校時代の凛々しいフェルゼン役が記憶に強い
千葉さんのロミオも見てみたいんですが。


コミックス5巻のカバーは学ランを着た更科さんじゃないかなと予想。
もしくはロミオ高槻くんにジュリエットシュウくん。


安永知澄×上野顕太郎『ちぬちぬとふる』。安永知澄のナイーブな
印象をもつ絵を使い、普段以上の助走距離をとることに成功した
ある意味贅沢なウエケン絵巻。
丹精して組み上げた前フリを、
何の未練もなくひとつの単純極まりないギャグで爆発させる
残酷なまでに爽快なくだらなさ。


それまでの繊細な作品世界を、最後のわずか数ページで
首根っこをふんづかまえるように強引に
ウエケンワールドに引きずり込んでしまうアクの濃さに脱帽です。


須藤真澄『庭先案内』。子どもとじじばばのノスタルジー
正直に言います。40ページの1コマ目にドキッとしました。
須藤さんはこれを狙ったんでしょうか。


いましろたかし『続ラララ劇場』。ああ人生下り坂。
いつもながら「この漫画のどういうところが面白いの?」と問われたら
うまく言葉の見つからない作品なのですが、
侘び寂びというか、じんわりしみじみというか、
そんな鮎のわたのような美味しさがこのひとの漫画にはあると思います。


タイム涼介『あしたの弱音』。ついに最終回。
連載途中からぐんぐんカッコよくなっていった弱音。
隊長としての指揮っぷりも堂に入ったものです。
降りかかってくるものを受け止め受け入れ
どんどん器を大きくしていった弱音。
最後の言葉にもシビれました。


これは単行本にしないともったいないです。