旧新玉川線落語行脚

落語会のはしごをしてきました。


まずお昼は駒沢大学で行われた『駒沢落語会』。
開演45分前くらいに来てみたら、驚くばかりの長蛇の列。
何人もの学生さんたちが「!?」な顔をして
チラチラこちらを窺うくらいの一種異様な風景でした。
1400人(だったかな?)が入るという講堂は満員御礼。
立ち見が出るほどの盛況ぶりでありました。


トリは笑福亭鶴光
変幻自在なリズムと緩急の効いた口調、
落語の作中世界に戻ったなと思いきや
話を本筋から逸らせて観客を引きずり回したところで
突然エアポケットのように駄洒落をストン。


その不意打ちのようなタイミングに思わず「プッ」と吹き出してしまう。
駄洒落の内容はそれこそ会社のオジサンがヒンシュクを買いながら
炸裂させている程度のものなのですが、あの亜空間のような話の流れと
独特な鶴光師匠のしゃべりに翻弄されている時に
絶妙な間で放り込まれるとつい笑ってしまうのです。


このサイクルで畳み掛けるように駄洒落を連発して
そのたび爆笑を客席から引き出した鶴光師匠、さすがの話術です。


そして夕方からは下北沢での『立川談四楼独演会』。
(ちなみに今回は三軒茶屋駅から行きました)
こちらは神社の大広間で座布団に座ってのカジュアルな落語会。
客席と演者の距離が近くて
噺家さんの世界がより濃く伝わってくる感じがしました。


矢崎滋がゲストで落語の一場面を演じつつのトークを披露。
この矢崎さんが演じる落語がごく短い時間ながら
観る者をぐいっと引き付けるんですよ。
やっぱり人前で表現するプロですから
素養は十分にあるんだなあとつくづく感じました。


談四楼師匠は二席、『文七元結』はまさに熱演でありました。
名前だけは聞いたことのある『文七元結』でしたが観るのは初めて。
初めて立川流の寄席で談四楼師匠の噺を観たときは
「滑らかだなあ」と思ったんですが、今回でその印象を強くしました。


談四楼師匠演じるおかみさんは角ばったところがなくて
いい感じにまろやか。肌触りのいい芸にするする引き込まれて
気づけば談四楼師匠の噺の世界にはまり込んでいたような感覚でした。


3時間+3時間で計6時間。
いい時間を過ごせました。