「終わったことだから」

つくづく今、自分が内藤大助じゃなくてよかったと思います。


亀田一家の謝罪会見中、ずっと内藤選手の表情を撮り続けたカメラ。
何か刺激的な発言を引き出そうとしている感のあるインタビュアー。


望む望まざるに関わらず、亀田騒動の一方の当事者として
世間の注目を浴びる存在になってしまった内藤選手。


それは被害を被った側でありながら、
少しでも筋の違った発言をしたら途端にバッシングを受けるかもしれない
難しい立場に置かれてしまったことを意味します。


試合が終わって以降、次々に繰り出された質問の中には
亀田一家との全面対決ストーリーを期待しているものも相当あったと思います。
そんな他人の作為的な意思が轟々と吹き荒れる中の綱渡りは
見ているこちらが肝を冷やすものでした。


15歳年上の年長者として、
経験豊富な先輩ボクサーとして、
勝負に勝った世界王者として、
内藤選手は寛大な態度をとりました。
おそらくは世間が求めていると思われるものと同じように。


もうそろそろ元の場所に戻してあげてもいいじゃないですか。