淡々と、シンプルに、しなやかに

今号のターザンの記事に衝撃を受けました。


セルジュ・ジラール
およそ260日かけてユーラシア大陸
ランニングで横断したランナーです。しかも、1日も休みをとらずに。


もっとも驚異的だったのは、彼の脚。
細いのです。めちゃくちゃ細いのです。ふくらはぎも、太腿も。
長年ギプスで固定されていたような、無駄な贅肉どころか
無駄な筋肉すら無い、幹というより柳の枝のような脚。
これで彼は1日70kmを、9ヶ月に渡って走り続けたというのです。


ユーラシア大陸横断以前にも4大陸を走破しており、5大陸合わせた全走行距離は
約41000km。具体的に想像できません。
加えて彼は1460日間、欠かさずトレーニングしているとのこと。
走る距離は少なくとも1日30km。そして、この9月に5大陸完走を果たした彼は
現在52歳。


この桁違いな長さを走っていくうちに、無駄な動きが徹底的に削られていき
不要な肉がそぎ落とされていき、現在の脚が作られていったのでしょう。
しなやかで、飾りやハッタリを一切排したような磨き込まれた脚。


走っている彼の姿からは、意気込みとか鼻息の荒さなどは殆ど感じられません。
躍動しているはずの脚も自らの働きをアピールしていません。
ただ淡々と歩を進め、ただ粛々と体を前に運ぶ。
静かに、且つシンプルに。


彼の表情、伸びた背筋、しっかりとした足どり、それは青年のものでした。
大げさに言えば、なにか生きる指針を与えられたような、
具体的なお手本を見つけられたような、そんな気がしました。


今日、久々にターザンを買いました。