今月のコミックビーム

毎回の表紙がけっこう楽しみなんですが、今回も凄いですね。
飾っておきたいような、なるべく表紙を下にして
見えないようにしておきたいような。


志村貴子放浪息子』。対抗意識とカチューシャ。
招待券をもらって喜ぶ文弥くんとその次のページの素晴らしいまでの落差。
そして、文弥くんの「彼氏です」発言を淡々と
すぐ前の「ちがいます」に合わせるように否定する千葉さん。
志村漫画のこの滑らかさが好きです。


文弥くんとシュウくんたちの初顔合わせ。
同じマイペース派の更科さんと文弥くんが対照的に感じました。
高槻くんに責められてたじろぐ文弥くんと、きょとんとする更科さん。
混乱の原因が自分にあると気付いて青くなって謝る更科さんと
悪びれず形だけ詫びる文弥くん。


女装もなかなか様になってる文弥くんをよそに
女物の水着を着たことを深刻そうに告白するマコちゃん。
けなげです、マコちゃん。


奈良佳子『その愛が甘ったれを作るんだぜ』。対照的な姉妹の物語。
ちょっと無機的な線からなるレトロな雰囲気漂う絵柄で、
山も谷も無く淡々と過ぎ行く妹の日常から
ドラマティックに展開する姉の人生を垣間見るストーリーを
俯瞰するような視点で流れるように描いています。


どこか記憶を回想するような、サイレントフィルムを眺めているような
話の流れが独特で、ある種の心地良さがありました。


深谷陽『贖罪のミンピィ・マニス』。不思議な女性の意のままに罪滅ぼしをする男。
やっぱり深谷陽に東南アジアの組み合わせはしっくりきますね。
深谷陽の絵柄と東南アジアの湿気を多く含んだ空気(よく知らないですが)が
よく馴染むのでしょうか。「夢だな …これ」がどことなくバリ島チックです。


いましろたかし『続ラララ劇場』。盆堀氏と健康。
しみじみ「うん、そうだよなあ、しょうがないよなあ」と共感させられます。
尻出してるのに全くおかしみが湧いてこない桃井監督の寝姿。
むしろ悲哀がにじみ出ています。次号休みですか…。