ヤングキングアワーズ増刊6月号 アワーズプラス

志村貴子犬上すくねの名前に惹かれて購入。


犬上すくね『セシルの気持ち』。大学研究室の
先輩(♀)後輩(♂)の「はじめて」から始まる恋愛ストーリー。


私は犬上さんのまんがでは、なぜか
部屋の中でうだうだと進む話がとても好きで
(例えば『想うということ』では「おかしな二人」とか
恋愛ディストーション』なら「あなたとハイな午後 二元中継」など)、
その点で今回のお話は個人的にストライクです。
くつろぐ感じが良いのでしょうか。


志村貴子「かわいい悪魔」。突然、少年の目の前に現れて
不思議な力を見せたかと思えば
家にまで付いてきたツヤツヤリップの可愛いお姉さん。


絵柄が『青い花』や『放浪息子』などとは
心もち違ってるように見えます。
敷居の住人』の初期のころにやや近いかなと
最初ちょっと思いました。


今回の話の中の「いやがってるじゃアないのサ」とか
他の単行本のあとがきなどの「フウン」「アラマア」とか
昭和初期みたいな台詞回しが
志村作品の中で最近ちょこちょこ見受けられますね。


谷川史子くらしのいずみ」。いろいろな夫婦の
ちょっとした出来事を描くオムニバスものでしょうか。
ほわほわした柔らかい絵と、こころの機微をやさしく掬い上げて
話の流れにそっとのせる繊細なストーリー運びが
作品の印象を肌触りの良いものにしているように思います。


二宮ひかるとうきび畑でつかまえて』。結婚していくひと、
それを見送るひと。最後のページで思わず
「そうきたかーっ」。せつなさ倍増です。


その他では石田敦子『おとめ恋々』、
スエカネクミコ『成城紅茶館の事情』などが
個人的に注目でした。
次号もこのメンバーが載るなら、おそらく買うと思います。