発した言葉、受け取られた言葉2
そんな相手の強さを認めたがゆえの言葉は、
「焦り」とも表現できるかもしれない
結果として悲しい一人歩きをしてしまいました。
1989年日本シリーズの苦い思い出が蘇ります。
その投手は決して相手を見くびっていた訳ではありませんでした。
ただ試合後の「シーズン中のほうがしんどかった」「相手も強かった」という
ボーっとしてたら聞き流してしまいそうな談話が
なぜか曲がって解釈されてしまい、あの対戦相手をいたずらに
刺激してしまうようなフレーズへと変わってしまったのです。
その言葉がマスコミを賑わした第3戦以降の劇的な展開は
ご記憶の方も多いと思います。
イチローも今回の二度の敗戦で、経験しなくていいはずの悔しさをも
味わわされてしまったのではないでしょうか。
ただ2回負けただけではなく、
「相手を見下した発言をしたにもかかわらず、二度も負けた」格好悪い立場に
いつの間にか置かれてしまったのですから。
発した言葉が思いもしない方向へ、全く意図しない意味を
押し付けられて乱暴に転がされていく。
非常に恐ろしいことだと思います。