今月のコミックビーム

桜玉吉御緩漫玉日記』。
なんだかカミングアウトづいてますね玉吉さん。
今回の事実を公にしたのは、
私の知る限りこれが初めてじゃないかと。
このひとの他には小林よしのり山田玲司の漫画にも感じる
切迫感というかどこか張り詰めている感じは
このことも要因のひとつなのかな、と思いました。


志村貴子放浪息子』の
「私の名前は……二鳥真穂です」の
シュウくんの可愛さはちょっとスゴいですね。
これまでの『放浪』のどの女の子よりも可愛かったんじゃないでしょうか。
まさに「べらぼうにかわいい」です。


それだけにやっぱりマコちゃんが切ないです。
マコちゃんの女装にはガンつけるように嫌な顔をしたのに
シュウくんが脱ぐ姿には顔を赤らめる。
瀬谷くんの態度が露骨に二人の立ち位置を示しています。
可愛い女の子でありたいとより切実に願っているのは、
おそらくマコちゃんなのに。


私は今まで「シュウくんはいずれその気持ちを卒業していくけれど、
マコちゃんはこのままいってしまう」と考えていたんですが、
今回の話で声変わりを覚悟して
その前に今の高い声を残そうとするマコちゃんを見て
それは逆なのかな、と思い始めています。


山川直人『コーヒーもう一杯』は身震いするような
残酷さを感じました。
自分がたわいのない時間を過ごしているその同じ時に
危機に瀕しているひともいる。
まさに人生を終えようとしているひともいる。


でも知らない。気づかない。
したがって助けようもなければ、心を痛めることすらない。


特に1ページ丸々1コマのあの絵に
どこか冷たい怖さを覚えました。