近鉄バファローズを傍らに

カッコよすぎですよ、仰木さん。


合併球団双方のファンが納得する監督なんて、あなた以外にはいなかった。
ゆえに、あなたは首を縦に振るしか選択肢がなかった。
いや、体のことを考えたら、もうひとつの方を選んでも異論は出なかったと思います。
それでも、あなたはそれを選ばなかった。


馴染んだ職場を追われた多くの選手やスタッフたち。
愛着ある『ブルーウェーブ』を剥ぎ取られたオリックスファン。
そして応援する対象を失くした私たち近鉄ファン


誰が幸せになったのかわからないこの合併の言わば尻拭いを
あなたにさせてしまったことが、申し訳なくて、悔しいです。


監督退任会見でのあなたの姿を見て、驚きました。
その柔和な笑顔は勝負師のそれではありませんでした。
幼いお孫さんを眺めているような、そんな穏やかな顔でした。
ひと回り小さく見えた体と相まって、
「出し切ったんだな。やり遂げたんだな」とうらやましく思うと共に
「本当に、もうユニフォームを着ることはないんだな」と
とても寂しく思いました。


小学生の時、「周りにファンのいない球団を応援しよう」と決めて
たまたまそれに当てはまったことから始まり早や20数年。


いろんなことがありました。
いろんなことを味わわせてもらいました。


あんな楽しくて、スリリングで、見てて力が湧いてくる球団は
もう出てこないような気がします。


いちばん骨が折れて損な役回りを何の責任も無いのに
何も言わずに引き受けて、
キッチリ仕事してサッと身を引いて、
それだけでメチャクチャカッコよかったのに。
それだけだったら、よかったのに。




あちらの貴久さんとジャンボ仲根さんによろしくお伝えください。
そして、お寂しいでしょうがあまり向こうへ
招かないようにして頂ければと。


ありがとうございました。
ごめんなさい。
お疲れさまでした。



ごきげんよう